会話Ⅰ
ジェインさんは、今日は朝から頭が痛かったのですが、会社で仕事中にもっと痛くなってきました。課長の佐藤さんに早く帰ってもいいかどうかききます。


佐藤さん、すみません。



はい。



頭が痛いので、帰らせていただいてもよろしいでしょうか。



いいけど、だいじょうぶ?



はい。家に帰ってゆっくりねます。



気をつけて帰ってください。



はい。



おだいじにね。
ジェインさんは早退してもいいかどうか、課長の許可を求めるために、「帰らせていただいてもよろしいでしょうか」と言いました。「帰らせて」は「帰る」の使役形「帰らせる」のて形です。「使役形のて形+いただいてもよろしいでしょうか」という文型で、ていねいに許可を求めることができます。
「使役形のて形+いただけますか」「使役形のて形+いただきたいんですが、(よろしいでしょうか)」という文型もあります。
会話Ⅱ
ジェインさんが帰ったあと、佐藤課長と社員の山下さんが話しています。





ジェインさん、つかれているみたいですね。



うん、先週、大阪まで出張に行かせて、そのあと報告書を作らせたり、会議で発表させたりしたからね。つかれがたまったかもしれないね。
佐藤課長がジェインさんに「大阪まで出張に行ってください」「報告書を作ってください」「会議で発表してください」と指示したので、佐藤課長は「(わたしはジェインさんを)大阪まで 出張に 行かせた」「(わたしはジェインさんに)報告書を 作らせた」のように使役の文型を使って言いました。
「行かせて」は「行く」の使役形「行かせる」のて形、「作らせた」は「作る」の使役形「作らせる」のた形、「発表させた」は「発表する」の使役形「発表させる」のた形です。
①「作る」のように元の文の動詞が他動詞の場合、元の文に「を」があるので、使役の文では動作をする人に「に」をつける。


②「行く」のように元の文の動詞が自動詞の場合、元の文に「を」がないので、使役の文では動作をする人に「を」をつける。


きょうは、「使役形」の作りかたを 説明 します。
動詞 は、 活用 のしかたによって3つのグループにわかれるので、グループごとに説明 します。
動詞 のグループわけがよくわからない 人 は、下の記事を見 てください。
Ⅰグループの 動詞
ます形 | 辞書形 | 使役形 | 意味 | |
---|---|---|---|---|
Ⅰ | いいます | いう | いわせる | say / tell |
かきます | かく | かかせる | write | |
はなします | はなす | はなさせる | speak | |
まちます | まつ | またせる | wait | |
よみます | よむ | よませる | read | |
つくります | つくる | つくらせる | make |
「いう」→「いわせる」、「かく」→「かかせる」のように辞書形 の五十音表の「う列」の音が、「使役形」では「あ列の音+せる」になります。


Ⅱグループの 動詞
ます形 | 辞書形 | 使役形 | 意味 | |
---|---|---|---|---|
Ⅱ | みます | みる | みさせる | look |
たべます | たべる | たべさせる | eat | |
つけます | つける | つけさせる | put on |
辞書形 の「る」が「使役形」では「させる」になります。
Ⅲグループの 動詞
ます形 | 辞書形 | 使役形 | 意味 | |
---|---|---|---|---|
Ⅲ | します | する | させる | do |
きます | くる | こさせる | come |
この2つはこのままおぼえてください。
では、れんしゅうをしましょう!
【れんしゅう1】 つぎの語の「使役形」はどうなりますか。
- a. たべる
- b. とる
- c. はなす
- d. のむ
- e. くる
- f. みる
- g. いう
- h. おす
- i. おぼえる
- j. 発表する
【れんしゅう2】つぎの文を使役の文に変えてください。
例1:学生は作文を書きました。 → 先生は学生に作文を書かせました。
例2:子どもは買いものに行きました。 → 母親は子どもを買いものに行かせました。
a. ジェインさんは残業をしました。 → 課長は 。
b. 学生たちは朝早く学校へきました。 → 先生は 。
c. 子どもは午前中ずっとうちにいました。 → 母親は 。
d. 部下は報告書をだしました。→ 上司は 。
e. 子どもたちは自由にあそびました。→ 先生は 。
f. 子どもは部屋のそうじをしました。→ 母親は 。
かんがえてみましょう!


さあ、できましたか?こたえはこちらです。
【れんしゅう1】
- a. たべる → たべさせる
- b. とる → とらせる
- c. はなす → はなさせる
- d. のむ → のませる
- e. くる → こさせる
- f. みる → みさせる
- g. いう → いわせる
- h. おす → おさせる
- i. おぼえる → おぼえさせる
- j. 発表する → 発表させる
【れんしゅう2】
a. ジェインさんは残業をしました。 → 課長はジェインさんに残業をさせました。
b. 学生たちは朝早く学校へきました。 → 先生は学生たちを朝早く学校へこさせました。
c. 子どもは午前中ずっとうちにいました。 → 母親は子どもを午前中ずっとうちにいさせました。
d. 部下は報告書をだしました。→ 上司は部下に報告書をださせました。
e. 子どもたちは自由にあそびました。→ 先生は子どもたちを自由にあそばせました。
f. 子どもは部屋のそうじをしました。→ 母親は子どもに部屋のそうじをさせました。
全部 正 しくできましたか?
日本語 の 動詞 や形容詞には、ほかにもいろいろな 活用形 があります。
このブログでしょうかいしていますので、 見 てくださいね。
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