ジェインさんと、同僚の田中さんが話しています。


ジェインさん、そのうで、どうしたんですか。あかいですね。



あ、これですか。蚊にさされてしまったんです。きのう、友だちといっしょに公園へ行ったら、蚊がたくさんいて。ほら、ここもここも。



あれ、うでと足をさされたんですね。



ええ。かゆくてかゆくて。きのうはたいへんなことがいろいろあったんです。



えっ、ほかにも何かあったんですか。



ええ。自転車で公園に行ったんですけど、その自転車をぬすまれてしまったんです。



ええーっ。



それで交番へ行ったら、おまわりさんにいろいろきかれて。
でも、なかなかうまくせつめいできなくて・・・。



そうですか。たいへんでしたね。
この会話の中には (1)「さされて」「さされた」(2)「ぬすまれて」(3)「きかれて」という形が使われています。 この形を受身形と言います。
(1) 「さされて」は「さす」の受身形「さされる」のて形です。
「蚊がわたしをさす」を、被害や迷惑を受けた「わたし」を中心にしていうと、「わたしは蚊に さされる」となります。被害をあたえた「蚊」には、「蚊に」のように「に」をつけます。
これは受身の文で、迷惑な気持ちをあらわしています。
ジェインさんは、この文に残念な気持ちをあらわす「しまった」と、事情を説明する「んです」をつけて、「(わたしは)蚊に さされてしまったんです。」と言いました。
ジェインさんは体のどこをさされましたか。「うでと足」ですね。
田中さんは体の部分を言いたかったので「(ジェインさんは蚊に)うでと足を さされた」と言いました。
(2) 「ぬすまれて」は「ぬすむ」の受身形「ぬすまれる」のて形です。
だれかがジェインさんの自転車をぬすみました。自転車はジェインさんの所有物です。ジェインさんは被害を受けた残念な気持ちを言いたくて、「(わたしは)自転車を ぬすまれてしまったんです。」と言いました。
(3) 「おまわりさんに いろいろ きかれて」の「きかれて」は、質問するという意味 の「きく」の受身形「きかれる」のて形です。
きょうは、「受身形」の作りかたを 説明 します。
動詞 は、 活用 のしかたによって3つのグループにわかれるので、グループごとに説明 します。
動詞 のグループわけがよくわからない 人 は、下の記事を見 てください。
Ⅰグループの 動詞
ます形 | 辞書形 | 受身形 | 意味 | |
---|---|---|---|---|
Ⅰ | いいます | いう | いわれる | say / tell |
かきます | かく | かかれる | write | |
はなします | はなす | はなされる | speak | |
まちます | まつ | またれる | wait | |
よみます | よむ | よまれる | read | |
つくります | つくる | つくられる | make |
「いう」→「いわれる」、「かく」→「かかれる」のように辞書形 の五十音表の「う列」の音が、「受身形」では「あ列の音+れる」になります。


Ⅱグループの 動詞
ます形 | 辞書形 | 受身形 | 意味 | |
---|---|---|---|---|
Ⅱ | みます | みる | みられる | look |
たべます | たべる | たべられる | eat | |
ほめます | ほめる | ほめられる | praise |
辞書形 の「る」が「受身形」では「られる」になります。
Ⅲグループの 動詞
ます形 | 辞書形 | 受身形 | 意味 | |
---|---|---|---|---|
Ⅲ | します | する | される | do |
きます | くる | こられる | come |
この2つはこのままおぼえてください。
では、れんしゅうをしましょう!
【れんしゅう1】 つぎの語の「受身形」はどうなりますか。
- a. たべる
- b. とる
- c. はなす
- d. のむ
- e. くる
- f. みる
- g. いう
- h. おす
- i. おこる
- j. ふむ
- k. こわす
- l. 注意する
- m. ほめる
【れんしゅう2】つぎの文を受身の文に変えてください。
例:母がわたしをおこりました。 → わたしは母におこられました。
a. 先生がわたしをほめました。 →
b. うしろの人がわたしをおしました。 →
c. みんなが田中さんをわらいました。 →
d. 兄が弟をいじめました。 →
e. おまわりさんが山田さんを注意しました。 →
f. たくさんの人がこの小説を読んでいます。 →
【れんしゅう3】つぎの文を受身の文に変えてください。体の一部や所有物をあらわすことばが入っています。
例:となりの人がわたしの足をふみました。 → わたしはとなりの人に足をふまれました。
a. 犬がわたしの手をかみました。 →
b. 子どもがおとうさんのめがねをこわしました。 →
c. 男の人が女の人のせなかをおしました。 →
d. だれかが田中さんの自転車をとりました。 →
e. ねこがわたしのさかなを食べました。 →
f. 母がわたしの日記を見ました。 →
かんがえてみましょう!


さあ、できましたか?こたえはこちらです。
【れんしゅう1】
- a. たべる → たべられる
- b. とる → とられる
- c. はなす → はなされる
- d. のむ → のまれる
- e. くる → こられる
- f. みる → みられる
- g. いう → いわれる
- h. おす → おされる
- i. おこる → おこられる
- j. ふむ → ふまれる
- k. こわす → こわされる
- l. 注意する → 注意される
- m. ほめる → ほめられる
【れんしゅう2】
a. 先生がわたしをほめました。 → わたしは先生にほめられました。
b. うしろの人がわたしをおしました。 → わたしはうしろの人におされました。
c. みんなが田中さんをわらいました。 → 田中さんはみんなにわらわれました。
d.兄が弟をいじめました。 → 弟は兄にいじめられました。
e. おまわりさんが山田さんを注意しました。 → 山田さんはおまわりさんに注意されました。
f. たくさんの人がこの小説を読んでいます。 → この小説はたくさんの人に読まれています。
【れんしゅう3】
a. 犬がわたしの手をかみました。 → わたしは犬に手をかまれました。
b. 子どもがおとうさんのめがねをこわしました。 → おとうさんは子どもにめがねをこわされました。
c. 男の人が女の人のせなかをおしました。 → 女の人は男の人にせなかをおされました。
d. だれかが田中さんの自転車をとりました。 → 田中さんはだれかに自転車をとられました。
e. ねこがわたしのさかなを食べました。 → わたしはねこにさかなを食べられました。
f. 母がわたしの日記を見ました。 → わたしは母に日記を見られました。
全部 正 しくできましたか?
日本語 の 動詞 や形容詞には、ほかにもいろいろな 活用形 があります。
このブログでしょうかいしていますので、 見 てくださいね。
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